20分間の嵐
雨季が始まって喜んでいたある日。 ゴロゴロと遠くで雷鳴が鳴り響き、黒く低い位置にある雲が西から近づいてくるのが見えた。 その雲の下には、遠くからでもはっきりと分かるように線が引かれている。 雲がすごいスピードでこちらに向かってくると同時に、暴風が吹き始めた。 もう雲はすぐそこまで迫っている、線もくっきりと見えて、風に煽られてうねっている。 ババババババババ ドラムを激しく叩くような音と共に大粒の雨が地面を濡らし、屋根を揺らした。 とんでもない嵐の到来だ、裏の扉を一瞬遅れて閉めたがあと2秒でも遅ければもう閉じられなかった。 外に出していた椅子が飛んでいくのが見える、犬が軒下に避難してきた。 庭の…
2025/03/19 17:07